こんな夢をみた。

    主に映画やドラマの感想をずるずると綴ってます。

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    映画感想「バットマン VS スーパーマン ジャスティスの誕生」



    【あらすじ】
    崩壊したクリプトン星の生き残りであるスーパーマン/クラーク・ケント。彼は壮絶な戦いの果て、地球をクリプトン星に造り変えてしまおうと目論んだ同族のゾッド将軍を打ち倒した。しかし超人同士の戦いの舞台となった都市の被害はあまりに甚大で、世間ではスーパーマンを糾弾する声が上がり始めた。正体を隠しながらバットマンとしてゴッサム・シティを守護するブルース・ウェインも、スーパーマンの力を脅威と捉えていた。一方でクラークも、悪人に対して容赦ない制裁を加えるバットマンのやり方に疑問を抱いており、二人は対立していく。クラークの恋人で同僚の記者ロイスは、アフリカでのテロ組織取材中に間一髪の所をスーパーマンに救われる。しかしその時のスーパーマンの行いもバッシングの対象になり、彼女は恋人のため、アフリカで使われた謎の銃弾の出所を突き止めようとするが、そこで浮上してきたのが大企業のレックスコープ。CEOのレックスは脅威への備えを訴えて政府に取り入ろうと不穏な動きを見せていた。

    【感想】
    ダークでシリアスでアクション満載なスーパーマン映画「マン・オブ・スティール」の続編で、DCコミックのキャラクター達が同一世界で活躍する映画作品群DCEU(=DCエクステンデッド・ユニバース)の開幕作品でもあるのがこの映画。世界的にほぼ同日公開で期待値が高まっていたこともあり、賛否両論になってますが・・、ドМ系映画ファンの私の感想としては、確かに駄目な部分もあるけど、それ以上に好きな部分もあるので嫌いになれないし・・好き・・!という感じでした。

    因みにこの映画見る前の私のDCコミック知識(バートン版「バットマン」、「フォーエバー」、「バットマン&ロビン」、「ダークナイト」三部作、「スーパーマン・リターンズ」、「マン・オブ・スティール」鑑賞済み。出て来ると言われてたキャラについては事前にググっていてどんなキャラなのか多少は知ってました)


    バットマンやスーパーマンの棚引くマント、バットマンのアーマースーツなど、CGの完成度の高さは相変わらずです。前作の超人同士の超速バトルシーンはゲームっぽくて好きじゃなかったんですが、今回は真人間のバットマンが参戦した事で、少々もっさり気味な位に生身のぶつかり合いの感じが出てたのは良かったかなと思います。前作のクライマックスのバトルをブルースの視点で見た序盤のシーンは迫力満点で、意図的なのか9.11テロ事件の光景を想起させますが、実際の事件を見ているような臨場感は圧巻です。


    新バットマンのベン・アフレックと新アルフレッドのジェレミー・アイアンズはどっちも良かったですね。「ダークナイト」は好きですが、バットマンと執事のコンビとしてはこの組み合わせの方が好きかも。ちょっと頭に血が昇り気味のブルースですが、スーツ姿は普段のベンアフよりナイスミドルに見えるし、人間味があって良かった。どっちかというとクリスチャン・ベールより、マイケル・キートンのブルースに近い感じでしょうか?歴代最年長のブルース(ベンアフの実年齢43より高い設定らしいので40後半から50代?)に比べてアルフレッド役のジェレミーはこれまでよりちょっと若く見える(66歳。マイケル・ケインは「ビギンズ」の時73歳だった)ので、年齢差が小さく今までより相棒っぽい感じ。親密な感じでやり取りも面白いです。


    難点は情報量が多くて展開が早い事だと思います。全体に散りばめられた謎解き的な要素について、鑑賞者に推察させた後の念押しだったり答えを明かしたりする描写が少なくてあんまり上手くない感じなので、ちゃんと見てればこうなんだろうなというのは分かるんですが、この解釈で合ってるのかなぁ・・と一抹のモヤモヤ感が残ってしまうかも。話その物は面白いんですけど、繋がりが分かり難いという感じでしょうか?ブルースの悪夢やレックスコープから盗み出した映像も、この映画の本筋にも影響を与えているのは確かなんですけど、ブルース本人がそれを見て率直にどう思った、というのが無いので、単に次回作や個々のキャラクター単体作品を見てもらう為の前ふりに見えてしまうのかなぁ・・と。あとクラークが踏んだり蹴ったりであんまりにも可哀想かと・・。

    分かり辛さと言うと、公聴会爆破シーンとバットマンによるレックスコープ襲撃事後シーンの繋げ方なんかは特にそうで、この場面だとブルースが元社員の書類を返送していたのがレックスによる成りすましだった事実に気付いたように見えるので、「ブルースが爆破がレックスの仕業だと気付き報復としてレックスコープを襲撃しに行った」ようにも見えるんですが、結局ブルースはスーパーマンを半殺しに追い詰めて初めて彼ががわざわざ会いに来たのがレックスの差し金だった事に気付いたので、成りすましにも全然気づいてなかったんです。

    ただ、アフリカで結局何があったか全然分からなくなってるのとか、最後レックスが何のことを喋っていたのかについて分からなくなってしまっているのは、R指定回避の為の30分削除のせいと言えそうなので、その30分程度が復活すれば印象が変わるかもしれません。
    ※映画の封切後に公開された削除シーン⇒Youtube " Communion "


    ・・・

    「親」にまつわるコンプレックスを抱えたバットマンとスーパーマンと悪役のレックスという三人。スーパーマンとバットマンの母親がたまたま両者ともに名前が『マーサ』で、それが二人の和解の切っ掛けになる事自体はエモーショナルで良かったと思いました。ただその後で交わされたであろう会話をもっと聞きたかったのと、レックスとクラークよりも年上で経験もあるはずのブルースについては、相手の言い分も聞けないほど思いつめていく過程をもっと分かりやすくやってくれた方が良かったのかなと思います。例えば、過去に起こったであろうジョーカーやロビンについての苦い記憶を思い出すシーンも入れるとか・・。


    で、ちょっとくどい位ある夢や幻のシーン。一番印象に残るのは、バットマンが砂漠で戦う悪夢シーンとその後の早く来すぎた男(エズラ・ミラー演じるフラッシュ)からの警告の部分だと思いますが、「冒頭のバットマンの幼少期の回想」、「母マーサの墓から怪物が飛び出す夢」、「亡くなった父ジョナサンの幻影とクラークの雪山での対話」も夢幻の場面に含めて良いんじゃないかと思います。

    この夢と現実の区別が分からなくなりそうな見せ方の意図するところは、例の『砂漠の悪夢シーン』を沢山ある他の夢や幻の中に紛れ込ませて、「悪夢みたいに見えたけど、本当はブルースの仲間フラッシュが未来からの警告をする為に過去に干渉してブルースに未来の現実(?)を見せたシーンだった」という事を、次回作のジャスティス・リーグを観て初めて理解できる、というサプライズ効果を狙った演出なのだと思われます・・。悪夢シーン自体が長いしもう少しあっさりしていて欲しかったですけど、やりたいこと自体は何となく分かります。

    必死なフラッシュが残していった迷言。
    " Am I too soon ? I'm too soon !! " (僕は早く来すぎた?早く来すぎた!!)





    【レックス・ルーサーの言動を考察してみるコーナー】
    この映画の若くてチャーミングでハゲてないレックス・ルーサーは、同名の父親から会社を引き継いだ息子のレックスJr. という設定。本人が受けた仮想インタビュー記事や本編中の台詞によると、父親は東ドイツからの移民で最初は貧しく、石油化学や重機工業を扱う会社としてレックスコープを起こして成功したが、2000年に死去。それから息子の彼が会社を継ぎ、IT企業に転換してさらに会社を拡大、若くして成功を収めている、となってます。

    ジェシーは普段の特徴的な口調ではなくて、声色も高く感情の起伏も激しい人物としてレックスを演じています。ほの暗い背景設定も相まって、スーパーマンの敵でありながらゴッサムシティに居そうなタイプ・・・。なので堂々としたハゲの壮年男性というイメージに慣れ親しんだ原作ファンからはいろいろ言われていたりするようですが、設定の時点でかなり独自色の強いキャラになっている気がするし、ジェシーの演技を観ているのは面白かったので、もうDCEUのオリジナル・レックスとしてこれはこれで有りなんじゃないでしょうか。

    レックスがスーパーマンに敵対する理由は、父親から虐待を受けていた時に誰も救ってくれなかった経験から、「全能の神は善良でなく、善良な神は全能ではない」と悟り、自分を助けなかった全能なはずの神とスーパーマンは同じ様なものだとして怒りを抱いているから。スーパーマンにバットマンの首を持って来いと言ったのも、スーパーマンが善良ではない事の証明になる。若しくは、善良なスーパーマンが何もできない事を証明するつもりだったかも。どっちにしてもレックスが正しい事になる二択・・。レックスが怪物ドゥームズデイを作り出してしまうのも印象的で、原作コミックでは初期に描かれていた『スーパーマンを逆恨みする同年代のマッドサイエンティスト』の設定に悪徳企業家の設定を組み合わせたひねった設定になってます。

    " You flew too close to the sun "
    ただレックスはスーパーマンと神を混同して訳が分からなくなってるという訳でもないんです。スーパーマンと同族のゾッド将軍の死体を前に、太陽の力でクリプトン星人が凄い力を発揮するのを踏まえて、太陽に近付き過ぎて墜落したイカロスの例えをしてゾッド将軍を憐れんでいますが、イカロスは人間です。クラーク・ケントが地球育ちなのも知っているし、神ではなくただの異星人なのも分かってるんですよね。自分でも矛盾している事に気付いているから、動揺が態度に出ちゃうんでしょうか。

    虐待は辛かったに違いですが、部屋をそのままにしている事や父の事を嬉し気に語る様子などからして彼は父親を心底憎んでいたわけじゃなさそうで、むしろ敬愛していた父親から暴力を受けたという矛盾が彼を狂気に走らせる原因になってそうです。彼は力で抑えつけられる事を嫌いながら、自らも暴力に頼っています。

    パーティーのスピーチでレックスは、「本は知識、知識は力だ」と言った後で、" The bittersweet pain among men is the knowledge with no power because that is PARADOXICAL " (人にとってのほろ苦い痛みは知識に力が伴わない事、それは矛盾しているから)と言ってます。知識は力なのに、知識に力が伴わない事は矛盾していると。優れた頭脳を持っていても、力で敵わずに父の暴力から逃げられなかった事を念頭にした発言だと思われます・・。スーパーマンと対峙するシーンでは、父親の暴力について、" daddy's fist and abominations " (父の拳と凄く嫌な事)と含みのある言い方をしてます。直前のロイスに言っていた何気ない小説「ロリータ」からの引用も、流れ的にやはり虐待の内容を示唆しているような気もします。設定では2015年のインタビュー時点でレックスは31歳、2000年の父親死去時には16歳だった事になりますが、もしかすると、父親の虐待に耐えかねた彼は父を殺害してしまったのかもしれません・・というかそんな気がします。

    スーパーマンの力に敵対したレックスは、スーパーマン以上にスーパーな力を持っていそうな「彼」については敵対するのか協力するつもりなのか・・?気になるところです。

    ・・・

    駄目な所もありますが、警官に見つかった時の壁に張り付いたバットマンの爬虫類過ぎる動き。バットポッドでの怒りの帰宅シーン。謎が多過ぎるけどカッコ良過ぎるワンダーウーマンさん。ハンス・ジマーとジャンキーXLによる音楽。等々の良い所も混在した憎めない映画になっております。(笑)


    ディレクターズカット版↓

    バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 アルティメット・エディション ブルーレイセット(初回仕様/2枚組) [Blu-ray]





    ▽バイラル宣伝集:

    トルコ航空とのコラボ
    ブルース出演⇒ゴッサムシティ編
    レックス出演⇒メトロポリス編

    レックスコープの公式ページ⇒https://www.lexcorp.io/
    レックスの公式ツイッターアカウント⇒https://twitter.com/alexanderluthor

    レックスコープが開発した次世代型OSソフト「レックスOS」:
    その物がネットワークで繋がっていて成長を続けるという物っぽい。スパイク・ジョーンズ監督の「her」に出てきたサマンサみたいな感じ?
    公式アナウンス動画
    LEX/OS試運転ページ・・・ミニゲームができます。基本的に隣り合ったパネルを指示通りに並べればクリア。

    レックスが受けたインタビュー記事
    WIRED誌
    FORTUNE誌

    こう並べると異様に力が入ってるレックス関連。




    【作品ノート】
    「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」
    原題:BATMAN V SUPERMAN DAWN OF JUSTICE
    2016年 アメリカ
    配給:ワーナー

    監督:ザック・スナイダー
    脚本:デビッド・S・ゴイヤー、クリス・テリオ
    原案:ボブ・ケイン『バットマン』、ジェリー・シーゲル『スーパーマン』
    制作:クリストファー・ノーラン
    音楽:ハンス・ジマー、ジャンキーXL


    出演:
    クラーク・ケント/スーパーマン:ヘンリー・カヴィル
    ブルース・ウェイン/バットマン:ベン・アフレック
    ロイス・レイン:エイミー・アダムス
    レックス・ルーサー:ジェシー・アイゼンバーグ
    マーサ・ケント:ダイアン・レイン



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    テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

    1. 2016/05/22(日) 00:44:45|
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